昨今、CO2削減は喫緊の課題として注目を集めています。
産業革命を起点として観測していると、これまでの経済発展には石油及び石炭等の化石燃料を主たるエネルギーとし、経済を成長させてきた歴史があります。
結果、大気中に含有されるCO2濃度は、産業革命以前と比較すると40%程度増加していることが判明し、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)の観測においても、CO2増加が確認できています。
地球温暖化に伴う直近数十年における気候変動を確認すると、私たちの生活や自然生態系に多大な影響を与えています。氷河の融解・海面水位の変化・洪水・干ばつといった、陸上及び海の生態系への深刻な影響・食料生産や健康など人間への影響などが具体的に観測されているのです。
そのため、CO2削減への取り組みはまさに全世界において取り組まなければならない問題と言っても過言ではないでしょう。
本記事では、CO2削減の企業の取り組み方やSDGsにも関係するCO2削減について詳しくご説明したいと思います。
目次
1. CO2削減とは
地球温暖化の主たる原因となっているガスの種類は多種多様となっています。それらガスの中でも、二酸化炭素は最も温暖化への影響度が高いガスとなっています。
産業革命以降、化石燃料の使用量は増加の一途を辿り、大気中の二酸化炭素濃度も比例して増えています。
現在、地球の平均気温は14℃前後ですが、大気中に水蒸気・二酸化炭素・メタンといった温室効果に影響のあるガスが存在しなければ、マイナス19℃程度だと言われています。太陽から地球に届いている光は、地球の大気を通過して大地をあたため、地表から発出される熱を温室効果ガスが吸収してしまい大気をあたためているため、さらなる温暖化へとつながっているのです。
近年では、全世界を見ても産業活動が活性化されており、二酸化炭素・メタン・フロン類といった温室効果ガスが多量に排出されているのです。このままでは、大気中の濃度が高まることによって熱の吸収が増加し、さらに地球全体の気温が上昇してしまうのです。
日本においても、2030年に向けた温室効果ガスの削減目標について菅総理大臣は、政府の地球温暖化対策推進本部の会合で2013年度に比べて46%削減することを目指すと表明しました。さらに、50%の高みに向けて挑戦を続けていくと強調しています。
これらの背景があり、地球温暖化に歯止めをかけるためにもCO2削減が極めて重要であると言えます。
2. 具体的にどんな事をするのか?
日本政府は、温暖化対策を講じるにあたり「環境と成長の好循環」をコンセプトとして、非連続なイノベーション及びこれらを支えるための投資活動に位置づけされる「グリーン・ファイナンス」を推進しています。
本コンセプトは、2019年6月に開催されたG20大阪サミットおける首脳宣言でも明確化されており、G20のリーダー及び各国政府が共通の認識としています。
日本政府における具体的な戦略は、次のとおりです。
●イノベーションの推進
温室効果ガスを大幅に削減させるため、脱炭素技術の実用化・普及のための革新的なイノベーションを推進
●グリーン・ファイナンスの推進
気候変動対策を講じている企業に資金が行き渡るよう、資金循環の仕組みを構築
●ビジネス主導の国際展開・国際連携
相手国のビジネス環境整備を通して、イノベーションの成果を普及
これら3つの柱を主軸として、具体的なCO2削減に取り組んでいくこととなります。
3. CO2削減のメリットとは
CO2を削減することのメリットとはどのようなものなのでしょうか。
先述したように、CO2は地球温暖化への影響が非常に大きいことから削減することによって地球温暖化を抑制するといったメリットがあります。
海面水位上昇や熱帯低気圧発生数増加といった地球温暖化がもたらす様々な影響を未然に防ぐことができるでしょう。
また、別の側面から見るとCO2削減に取り組む企業に対しても様々なメリットがあることが伺えます。
ここからは、企業にもたらされるメリットについてご説明したいと思います。
3.1. 企業価値の上昇
テレワークといったICTを積極的に活用した柔軟な働き方は、通勤等に伴う移動で発生するCO2排出量の削減及びペーパーレス化等の環境保全効果に寄与します。
また、企業が社内外の課題と向き合いながら、主体的及び積極的に業務のあり方の改善を促す効果も期待できますので、環境経営は働き方改革が目指す労働生産性の向上と主軸を同じとしていると言えるでしょう。これらを実行できる企業は、社会からも非常に高く評価されます。
3.2. SDGsの取り組みとして使える
SDGsとは、「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」のことです。社会が抱える問題を解決し、世界全体で2030年を目指して明るい未来を作るための17のゴールと169のターゲットで構成されています。
企業はこれまで、消費者のため・地域社会のため・生活環境維持のために求められる製品やサービスを提供してきました。しかし、昨今の少子高齢化に伴う人材不足及び多種多様な消費者ニーズの変化等により、技術継承及び生産性向上における課題が山積している企業が多くなっています。
企業が将来的に継続し、さらに事業を拡大するために必要不可欠なのが、長期的な視点で社会のニーズを重視した経営及び事業展開です。ビジネスの世界では、経営に関するリスクを回避するとともに、新たなビジネスチャンスを得るため持続可能性を見出すための手法として、SDGsの活用が求められているのです。
3.3. 経費削減
CO2削減と働き方改革は密接な関連性があります。
働き方改革によって、テレワークや長時間労働削減を促すことにより、CO2削減効果などが期待できます。また、クールビズやウォームビズを導入して冷暖房を適切な温度設定にすることや、 照明を間引きしたりLEDに交換することもできます。
これらは全てCO2削減へと寄与し、企業に置ける経費削減にも直結する内容であると言えるでしょう。
3.4. 「エコアクション21」や「ISO14001」などの第三者機関の認証
エコアクション21(EA21)は、中小事業者においても簡単にPDCAサイクルを構築することができるため、環境経営に対して容易に取組みを始めることができるのが大きな特徴です。
2004年に制度が構築されてから、現在の認証及び登録数は多種多様な業種から約8000事業者となっています。認証取得事業者は、審査人による環境経営相談等を行い、多種多様な手法を用いて環境負荷の低減を可能としています
また、ISO14001では環境マネジメントシステムの仕様を定義づけしている規格となっており、ISO規格に沿った環境マネジメントシステムを構築する際に遵守しなければならない事項が決められています。
なお、ISO14001のシステムが構築できれば、自身において宣言するか、外部の機関に証明してもらう第三者認証を採用するのか選ぶことができます。
4. 実際どれくらい削減になるの?
上述したような取り組みを行うことによって、実際にどれくらいの削減が可能となるのでしょうか。
2019年度(確報値)の総排出量は12億1,200万トンCO2換算(前年度比-2.9%、2013年度比-14.0%、2005年度比-12.3%) となっています。
温室効果ガスの総排出量は、2014年度以降6年連続で減少しており、排出量を算定している1990年度以降、前年度に続き最少を更新しています。
また、実質GDP当たりの温室効果ガスの総排出量は、2013年度以降7年連続で減少となっています。
5. CO2削減の企業事例
CO2削減に成功している企業の事例をいくつかご紹介したいと思います。
- 有限会社アドバンク
大幅な省エネと紙コストを低減し、VOC(揮発性有機化合物)を排出しない印刷方式(LED-UV印刷)を導入しています。
- 岐セン株式会社
環境配慮型の機能性付与や染色加工技術を開発。製造工程における省エネ、排水の低減に継続的に取組み、縫製業と協業してデッドストック生地を活用した消費者向け商品の開発や販売なども開始しました。
- グローバル・コーティング株式会社(上尾事業所)
エコアクション21(EA21)に基づいた環境経営を継続。省エネ等によるCO2削減、梱包材等の廃棄物削減などに取組んでいます。
6. CO2削減なら株式会社ジャスト・エナジー
ここまで、CO2削減の企業の取り組み方やSDGsにも関係するCO2削減についてご説明させて頂きました。
CO2削減が如何に重要であるか、企業に対してどれほど大きなメリットをもたらすかについてもご理解頂けたと思います。
私たち株式会社ジャスト・エナジーでは、省エネ・環境改善事業において15年以上の実績があります。
50を超える省エネ手法で電力削減、水道の削減、重油・ガス等の燃料の削減や環境改善の導入など、御社のご要望・設備状況に最適なる様々なご提案をさせていただくことが可能となっています。
省エネはまさにCO2削減に直結する近道と言えるのです。
CO2削減に興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。
【参考文献】
- 環境省公表資料
https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/ondanka/
https://www.env.go.jp/policy/j-hiroba/04-iso14001.html
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/ghg-mrv/emissions/yoin_2019_1.pdf
- 環境省公表資料(企業事例紹介)
https://www.env.go.jp/policy/sdgs/index.html
- 経済産業省公表資料
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/green_innovation_summit.html